約3ヶ月で、ブログ64記事とYouTube動画数十本を公開し、株の自動売買システムを一式作りました。人間の作業は、ほぼ「内容を確認して承認する」だけです。
そして収益は、0円です。
これは誇張でも自虐でもなく、現役会社員の私がAI副業に取り組んだ約3ヶ月の中間決算です。「AI 副業」で検索すれば「初月から」「スキマ時間で」といった景気のいい言葉が並びますが、私の手元に残った数字は全く違いました。同じ条件で3ヶ月やり切った記録は、成功談より珍しいはずです。この記事では、売買の成績も、システム障害も、審査落ちも、数字を隠さずに書きます。
64記事のうち48本は、私が書いていない
2026年4月30日にこのブログを開設し、7月17日時点で公開記事は64本になりました。ただし、そのうち48本は私が書いたものではありません。平日15時45分になると、その日の株式市場を振り返る記事をAIが自動で生成し、チャート画像やアイキャッチまで作ってWordPressに投稿していきます。私はその結果を後から確認するだけです。
私がやったのは記事を書くことではなく、「記事を書く工場」を作ることでした。自宅のMac mini M4を24時間稼働させ、開発はClaude Code(AIコーディング支援ツール、Max Plan)との対話で進めました。市場データの取得から本文生成、画像作成、投稿までの流れが、人間の手を介さずに毎日回っています。
動画も同じ発想です。記事を元にAIが台本を書き、合成音声とオリジナルキャラクターで10分ほどの市場解説動画を組み立て、YouTubeへ自動で公開します。朝には当日の展望、夕方にはその日の振り返り。この一連の流れも人手ゼロで、気づけば数十本が積み上がっていました。
意外かもしれませんが、一番時間を使ったのは「書かせる」部分ではなく「AIの間違いを止める」部分です。AIは事実と違う数値を平然と書くことがあるため、投稿前に自動のファクトチェックを通し、引っかかった記事は公開を中止する設計にしました。さらに今は、チェックに落ちた記事をAIが自分で修正して再チェックを受ける仕組みまで入っています。AIの出力をAIが直し、それを別のチェックが検証し、最後に人間が承認する。書くだけなら一瞬なのに、信用できる状態にするための工程が何層にも必要でした。
こうして記事工場は完成し、今日も動いています。では、なぜここまで「無人」にこだわったのか。理由は、私が会社員だからです。
「ほぼ承認だけ」に振り切ったのは、日中働いているからだった
会社員の副業には、動かせない制約があります。平日の日中は本業で拘束されるという一点です。ところが株式市場が開いているのは平日の昼間だけで、相場記事の投稿もYouTubeの朝動画も、価値が出るタイミングは全て私が会社にいる時間帯に集中しています。一番大事な時間帯に、私は必ず不在なのです。
だから最初から「スキマ時間に自分で作業する」路線を捨てました。よくある副業論とは逆かもしれませんが、作業を細切れの時間に詰め込んでも、平日昼間に価値が生まれるコンテンツには物理的に追いつけません。選んだのは「不在でも回る仕組みを作り、人間は確認と承認だけをやる」という設計です。冒頭に書いた「人間の作業はほぼ承認だけ」は、楽をした結果ではなく、会社員という制約から逆算した結論でした。
実際の生活はこうなりました。平日の朝は出勤前に、銘柄選定や朝動画が正常に走ったかを確認。夜は帰宅後に、その日の記事と売買結果を確認して承認し、障害があればログを追って修正。週末は、市場が閉まっていて売買システムを止められる唯一のタイミングなので、大きな改修はここに集中し、土日はほぼ開発日です。
この設計判断は今も正しかったと思っています。ただし「楽」とはほど遠いものでした。まず、仕組みが完成するまでが長い。そして完成した仕組みは、この後書くとおり、平気で壊れます。
自動売買の成績、84勝194敗・マイナス175,389円
ブログと並行して、日本株のデイトレードを完全自動化するシステムも作りました。朝に全市場から当日の監視銘柄を自動で選び、場中はテクニカル指標とAIの判断を組み合わせて売買し、引けたら自動でその日の反省まで書く。人間は朝と夜に結果を眺めるだけです。ただし投じているのは仮想資金で、本物のお金は1円も入れていません。いわゆるペーパートレード(模擬売買)です。
その成績が、通算30営業日で決済278回、84勝194敗。勝率はおよそ3割で、累計損益はマイナス175,389円です。もし実弾を入れていたら、17万円あまりが3ヶ月弱で消えていた計算になります。
「AIに売買させれば勝てるのでは」と、始める前の私はどこかで思っていました。現実は逆で、負けるたびに敗因を分析し、ルールを直し、また負ける、の繰り返しです。寄り付き直後の飛びつき、エントリー直後の逆行、積み重なる売買コスト。分析するたびに新しい負け筋が見つかり、市場の甘くなさを毎週思い知らされています。
改善のサイクル自体は回っています。負けが込んだ週は売買記録を全件見直し、寄り付き直後の取引を絞る、1回あたりの投入額の計算を見直す、無駄な売買を減らしてコストを抑える、といった対策をルールに落とし込み、翌週の相場で検証する。引け後にAIがその日の敗因を要約してくれるので、会社員の夜の時間でも振り返りが成立します。それでもトータルの数字がまだマイナスなのが、現時点の実力です。
それでも、最初にお金ではなく仮想資金で始めた判断だけは正しかったと断言できます。278回分の売買記録と敗因分析が、1円も失わずに丸ごと手元に残ったからです。そして、負けていたのは売買の成績だけではありません。システムそのものが、何度も止まりました。
本番初日、朝の動画もブログも全て公開されなかった
忘れられないのは、テスト期間を終えて「今日から本番運用」と決めた初日です。朝に公開されるはずだった市場展望の動画が、公開されていない。夕方の日次ブログも、振り返り動画も、全て沈黙。夜にチャンネルとブログを開いて、何も増えていない画面を見たときの脱力感は今でも思い出せます。準備に何週間もかけた仕組みが、初日にして全滅でした。
原因を調べると、使っているAIツールが数日前に自動アップデートされ、ログイン情報の保存方式が変わっていました。人間がターミナルから操作する分には何の問題もないのに、無人の自動実行から呼び出した瞬間に「ログインしていません」と拒否される。テストで完璧に動いていたものが、本番の無人環境でだけ崩れたのです。自分は何も変えていないのに、道具側の仕様変更で全てが止まる。自動化の急所を初日に突きつけられました。
追い打ちもありました。記事の誤りを防ぐはずのファクトチェックが、全角と半角の表記揺れ(「TDK」と「TDK」)を「別の会社」と誤検知し、内容としては正しく書けていた記事の公開を何度も止めていたのです。間違いを防ぐための門番が、正しい記事を門前払いしていた。しかも当時は失敗をスマホに通知する仕組みすらなく、全滅に気づいたのは通知ではなく、夜に自分の目で確認したときでした。
その夜のうちに認証を作り直し、誤検知を修正し、失敗したら即通知が飛ぶ仕組みを足しました。これで安定するはずでした。約1週間後に、また丸一日止まるまでは。
7月13日、取引がゼロ件のまま一日が終わった
7月13日の月曜日、自動売買システムはエントリーを1件も行いませんでした。取引記録はゼロ件。市場は普通に開いているのに、私のシステムだけが眠ったままの一日でした。
引き金は前日の夜、動作環境のPythonを新しいバージョンへ切り替えたことです。切り替え後の検証は入念にやったつもりでしたが、手動のターミナルからしか確認していなかったのが敗因でした。無人の自動実行という文脈でだけ、OSの細かな仕様に引っかかり、サーバーが起動して2秒で死んでいたのです。手動では何度やっても正常に動くため、事前テストでは見抜けようがありませんでした。
しかも当時のシステムは異常の警告を飛ばすだけで、自分で復旧する手段を持っていませんでした。警告は届いていたのに、私は本業の真っ最中。会社員の副業である以上、日中に対応できないのは前提条件のはずなのに、その前提でシステムを設計できていなかったわけです。その晩、無人実行と同じ条件で起動パターンを一つずつ試す実験を重ね、「この呼び出し方だけが死ぬ」という法則をようやく特定。起動方法を変更し、異常を検知したら自動で復旧を試みる仕組みを入れて恒久対策としました。
障害はこれで終わりではありません。別の日には、macOSの許可確認ダイアログが無人のデスクトップに出たまま放置され、午後のコンテンツ生成が全て止まっていたこともあります。24時間自動で動くということは、24時間壊れる可能性があるということです。この3ヶ月、機能を作る時間と同じくらい、壊れたものを直し、壊れにくくする時間を使いました。そして苦労の末に回り始めた仕組みに、今度は外から冷や水を浴びせられます。
AdSense審査の結果は「有用性の低いコンテンツ」
収益化の柱として申請したGoogle AdSenseの1回目の審査は、不合格でした。理由は「有用性の低いコンテンツ」。自動生成の相場記事を積み上げてきたこのブログは、Googleに「役に立たない」と判定されたことになります。
正直、堪えました。障害を乗り越えて毎日記事が出る状態を作り上げた矢先に、その記事群そのものを否定されたからです。ただ、この指摘はおそらく正しいとも思っています。毎日ほぼ同じ構成の記事が自動で増えていくだけのサイトに、ここでしか読めない価値があったかと問われれば、当時の私は胸を張れませんでした。量産の仕組み作りに夢中で、「誰が何のために読むのか」を後回しにしていたのは事実です。
今は方針を変えている最中です。柱にするのは、この記事のような一次情報。負けた金額、止まった日、落ちた審査。自動生成では絶対に書けない、自分の体験と実数字だけでできた記事を増やしたうえで、再申請に臨む準備をしています。自動化の仕組みは「量」を支える土台として残しつつ、読者がこのブログに来る理由は人間の実録で作る、という役割分担です。
つまり私は3ヶ月かけて、収益ゼロどころか「収益化の入口」の審査に落ちた地点にいるわけです。YouTubeも収益化の条件にはまだ遠く、アフィリエイトの成果もありません。冒頭の「収益0円」は、広告収入が少ないという意味ではなく、文字どおり収益化の手段が一つも稼働していないという意味です。
それでもこの結果を隠さず公開するのは、この数字にこそ価値があると考えているからです。
「AIで楽して稼げる」に、実数字で反論する
誤解のないように書くと、AIは本当に強力です。プログラマーが本業ではない会社員が一人で、記事の自動生成、売買システム、動画パイプライン、監視の仕組みまで3ヶ月で作る。AIなしでは絶対に不可能でした。「個人ができることの範囲」は、間違いなく劇的に広がっています。
しかし、AIが肩代わりしてくれたのは「作業」だけでした。作ったものの検証、障害の対応、間違いの尻拭い、方針の判断、そして続けるという意思決定は、全て人間の側に残ります。AIが高速に物を作れる分だけ検証すべき対象も増え、体感ではむしろ忙しくなりました。「承認するだけ」とは、裏を返せば「承認できる状態を毎日維持し続ける」ということだったのです。
もう一つ実感したのは、AIの成果物は「動く」と「信用できる」の間に大きな溝があることです。動くものはAIと組めば驚くほど速く作れます。しかし、間違った数値の記事が公開されない保証、障害時に自力で復旧する仕組み、誤検知で正しい記事を止めない精度。この「信用できる」側の作り込みに、体感では制作時間の大半を持っていかれました。楽になるのは溝を渡り切った後で、私はまだ渡っている途中です。
ここまでの数字を並べ直します。約3ヶ月、AIをほぼ全ての工程に使い、64記事と数十本の動画を自動で量産し、278回の売買検証を回して、収益は0円。審査には落ち、システムは本番初日と7月13日に止まりました。フルにAIを活用した3ヶ月の結果としてこの数字を出している一次情報を、私は他に知りません。「AIで楽して稼げる」という話と私の体験は、どこを切っても一致しないのです。
では、やめるのか。やめません。その理由も、数字と同じくらい具体的です。
収益0円の3ヶ月で、手元に残ったもの
まず、明日も勝手に動き続けるシステムが残りました。私が寝ていても、出張していても、記事と動画とデータは毎日積み上がります。時給で働く副業は手を止めた瞬間に収入も止まりますが、この仕組みは止めない限り蓄積が続きます。収益化に成功した瞬間から過去の蓄積が全て資産に変わる構造は、先行投資として悪くないと考えています。
次に、278回の売買記録と敗因分析という検証データ。実際のお金を1円も失わずに、17万円分の「負け方」を学べたと捉えています。どういう場面で負けるのか、どのルールが機能しないのかが、感想ではなく記録として残っている。実弾を入れるかどうかの判断は、この教材を使い切ってからで遅くありません。
そして、AIとの協働スキル。どこまで任せてよく、どこから人間が検証すべきか。その境界線を、本やセミナーではなく、障害と誤検知の実体験を通じて体で覚えました。AIに仕事を任せる感覚は今後どの職場でも必要になるはずで、これは副業に限らず本業にもそのまま効いています。
最後に、この記事そのものです。3ヶ月間フルにAIを活用して収益0円だったという記録は、書いていて楽しいものではありません。しかし、成功譚があふれる「AI副業」というジャンルで、金額も敗戦も審査落ちも実数字で書いた一次情報は、それ自体が他にない資産になります。収益0円の3ヶ月は、コンテンツとしてはむしろ黒字だったのかもしれません。
まとめ — 3ヶ月後、この「0円」がどうなったか報告します
- 約3ヶ月で、ブログ64記事(うち48本は自動生成)・動画数十本・自動売買システムを構築。人間の作業はほぼ承認のみ
- 自動売買(ペーパートレード)は30営業日・決済278回で84勝194敗、累計マイナス175,389円
- 本番初日の全システム停止、取引が丸一日止まった障害、AdSense審査の不合格をすべて経験
- AIが肩代わりするのは「作業」だけで、検証・障害対応・判断は人間に残る。楽にはならない
- それでも、動き続けるシステム・検証データ・AIとの協働スキルという資産は確実に残った
これからAI副業を始めようとしている方に、経験者として言えることは一つだけです。やめておけ、ではありません。始めるなら「3ヶ月収益ゼロは想定内」という期待値で始めてください。そのうえで、稼げない期間に仕組みを作ること自体を楽しめるなら向いていますし、収益だけが目的なら、この期間はかなり苦しいはずです。私は前者だったので、続いています。
「AIで楽して稼げる」とは、少なくとも私は言えません。ただ、「AIと組めば、会社員一人でもここまで作れる」ことと、「それでも収益までの道は長い」ことの両方を、実数字で示すことはできました。このブログでは今後も、収益が出た月も出なかった月も、実際の数字で経過を記録していきます。3ヶ月後の続報で、この「0円」がどう変わったか、あるいは変わらなかったかを、また正直に書きます。
※本記事にアフィリエイトリンクは含まれません。株式の売買検証はすべて仮想資金によるペーパートレード(模擬売買)であり、特定の銘柄や投資手法を推奨するものではありません。投資は自己責任でお願いします。


コメント